★スローフードのメインコンセプトは風土を大切を守る。
☆違います。
1989年にマニフェスト(宣言文)の発表から現在まで、
スローフードのメインテーマは明確にされています。
それは「ピアチェーレ(喜び・味わい)の権利を主張する」ということです。
詳しくは、スローフードの法令(ヴェネチア、1996)を見てみましょう。
“スローフードの活動は味わう権利を守り、人生を尊重し、調和のとれた人と自然の関係のためである。”
もちろん、失われつつある食文化を守るために、地域の食べ物を支援します。
(スローフードUSAは“Buy fresh, Buy local”のモットーを使って、1995年から2005年の間に農家のマーケットは3倍まで増えました。)
しかし、文化は交流をしなければ意味がありません。
よく考えてみると、イタリアで有名なコーヒーやトマト、ジャガイモなどは、ニューワールド(アメリカ大陸)から輸入されたものではないですか?
実はパスタも、シルクロードを通ってイタリアにもたらされたものかもしれません。たとえ輸入されたものであっても“スロー”であるといえます。
自分の文化にプライドを持ち、相手の文化にも興味を持つと、違う意見や習慣を認めやすくなります。
これに関して、2003年のスローフード00号(雑誌)では、はっきりとした説明がされています。
「未来へあゆむカタツムリ」by Carlo Petrini
★スローフードはゆっくり、のんびりのライフスタイルを進める。
☆違います。
ファーストは「浅はか、同質、大量、経済重視」。
反対に、スローは「奥深い、個性的、高品質、文化向け」です。
決してのんびりではありません。
2007年現在、スローフードの本部(北イタリアのブラ)では、120人のフルタイム職員が毎日「組織化された混乱」の中で、慌しく世界中のプロジェクト管理を一生懸命をおこなっています。
仕事場は熱狂的で活気があり、かつ平和な雰囲気だそうです。
実は、スローフード協会の歴史:データが豊かな本、国際的な展示会の開催、地域のサポート活動、スローフードの素晴らしい成長をみると、この20年間、あまり休む時間が無かったことがよくわかります。
スローフードのサポーターでも、私の知る限り怠惰な人はいません。
ボランティア活動に参加したり、お昼休みは頑張って商店街で買物をしたりしています。
スローな道を選ぶことは、人生を深く楽しむことになり、決して暇になることではありません。
Work hard, Play hard (一生懸命働いて、一生懸命遊ぶ)、おそらくこれがスロー論理の芯です。