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ガベッティのレッスン
07年.08月.18日-11:36 

大学生のとき(トリノ工科大学にて)、Roberto Gabetti は私のArchitectonic compositionの先生でした。

ガベッティは上品で、インテリジェント、シニックな昔のジェントルマンでした。
涼しいげでチャーミング、ある意味で、少しDavid Niven型のパーソナリティーでした。

彼の知識は、とても広くて、彼の意見は鋭く、3時間しゃべり続けても、皆が催眠術をかけられたのように聞きいりました。彼のしゃべり方は穏やかでしたが、強いエネルギーがありました。
1996年に、治療ができないガンが見つかり、2000年からレッスンをやめ、論文のサポートだけされるようになりました。その年の12月の寒い日、彼は大学に来られませんでした。そして、翌日亡くなりました。

プロジェクトもありましたので、創作の回顧のとき、「覚えてほしいですが、立面図で使う材料を最大3つにしておくべき」だと、おっしゃいました。
「窓の冊子もこの3つの中に入ってますか」と尋ねてみました。
「こんなに太くて、存在感のある枠を使いたいのでしたら、屋根と同材にするか、壁と同色にしたらいかがですか?」と答えてくれました。
「ここは、奥行き感を強めるために、他の材料を・・・」話を途中で止めてしまいました。
先生は、皮肉な顔でまっすぐ目を見ていた。
「最大3つの素材・・・」(これは、見事に長くて短い間でした)「・・・プラス1つ。はい、がんばって。」

建築家は、実用性の高い、バランスの良い建物を作ることが目的です。
その「目的」のために、いくら良い「ルール」を考えても、「目的」は「ルール」より大切、という当たり前なことを決して忘れてはいけません。
ガベッティ先生は、「いつも頭を使って、状況の中で判断をする」という基本的なメッセージを伝えてくれました。
これは、建築の中でも、人生の中でも貴重なアドバイスですね。


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