"かばた"のある暮らし 滋賀県高島市針江地区
"かばた(川端)"とは、湧き水を利用した井戸と台所を合体させたようなもので、このかばたを生活の中に取り入れた暮らしは
人間の暮らし-自然-まち、人-人-まちの関係性が生きている!!
その素晴らしい関係性と、まちを歩いた感想を報告したいとおもいます。
"かばた"のシステム
まず、地下から湧き水をくみ上げもと池(写真右)にためる。ここは最もきれいな水なので飲み水など生活上水として使用する。
次に、つぼ池(写真左)に水が流れる。ここには野菜などをつけて冷やしておくみたい。(写真ではもと池に冷やしているが...)
次に、はた池(写真右の大きいやつ)に溜まる。
ここは、洗濯や洗い物に利用する。
ここではコイを飼い、食べ物の残りかすや、生ゴミなどを食べてくれる。(カレー鍋などそのままつけとけばキレイになるらしい。)
だから、水はキレイなまま保たれる。
コイも食べられるので一石二鳥!(愛着がわくので最近ではもっぱら食べないみたい...)
そして、まちの水路へ流れていく。
ここでもコイを飼い、各家から出た細かい食べカスなど食べてくれる。
魚が動くことにより底にカスが溜まりにくく水をキレイに保つ効果もあるという。
みんなのかばたとしての役割も...
この水の流れの過程を、人間はうまく利用し、生活の一部としている。
人間の生活によりでるゴミも、この過程の中で自然に還るようになっている。
むしろ、それらは多くの生物を育て、水をキレイに保ち、それがまた、人間を含めた多くの生物を育てているのではないでしょうか。
このように、人間と自然が良好な関係で成り立つ生活なので、同時にまちや住人との関係も深まる。
そして、コミュニティがしっかり生きている、"生きたまち"が生き続けるのではないでしょうか。
「 川の"藻刈り"」
藻が水路をふさぎ川の流れが淀むので、年4回は住人みんなで藻刈りを行なっているそうです。
刈った藻は肥料として再利用。
キレイな水、生活は一人じゃ保てない、住人との密な交流は暮らしには不可欠ですね...
「川で洗い物」
科学洗剤などは使わない!!
使用してるのはそこらの草。これで十分汚れはおちるのです。
そもそも、川をよごしたり、循環しないものは生活の概念にないのかも...
「かばたを利用した豆腐屋」
伝統製法、手間、自然とのつながりが感じられる。
そして、なによりも豆腐が豆から出来ていることを痛感できる味でした。
しかも安い!!
住人みんなが水を大切にする意識が強い。
すなわち、自分達の暮らし、住むまちへの意識であり、それが
人間の暮らす"生きたまち"を創りだしているのではないでしょうか?
そして、それは"美しいまちなみ"ともつながっているのではないでしょうか...
人間の暮らしがまちをつくる...