昨日は「ヤコポの散歩」で話しました「form follows function」のことで事例をまとめてみました。
自然の中で、動物たちがそれぞれの気泡、状況に合わせて発展していました。
昔は人も、チャレンジするより、できるだけ自然のルールに合わせて考えました。
やはり、何を作るにしても、手作業を始める前に、手作業中でも一生懸命考えました。
たとえば、左の写真では、トリノ市の古代ローマ時代の東門です。壁を作るために、すべて高級材であるレンガを使えませんでした。バラの石を集めて、30cm~50cmごとにレンガ2列を並べることによって、水平な層を作りました。安定感、作業の効率を重視しながら、おまけできれいなパターンも作ります。
右の写真ではオルビエートの大聖堂の内部です。グレーの石(lavagna石、serena石など)は安くて、削り易いですが、構造材として少し弱いですね。硬くて白い「カララ大理石」の無垢のブロックを使えば、コストが上がりますし、白のニュアンスの違いは景観の面で気になります。どうしたらいいですか。
頭を使ってみたら、返事はシンプルですね。ストライプ模様ですよ。
スイス建築家マリオボッタがこの中部イタリアのロマニック教会から表面的にインスピレーションを受けて、コンクリートブロックのストライプは彼のトレードマークになりました。形を引用して、違うコンテクストにもっていくのは面白いですが、「賢い遊びは短い遊び」。やりすぎるのはよくないですね。
最後の写真はシンガポール空港の床。構造的な役割をしているフラットバーのフレームをガラスの板をサポートします。印象的にも内面的にも・コンセプトを比べると・これは中世のマイスターの考え方に近いのではないでしょうか。