SOS素晴らしい建築
09年.08月.28日-17:20
今日はJIAのセミナーに参加しました。神戸のカフェフィッシュで大光電気さんの提供で、中村拓志さんの講演を聞かせて頂きました。「若手建築家」として紹介されましたが、若さは表面的な属性だけです。一言でキャッチフレーズを付けるのであれば、「バリ頭の良い建築家」として紹介するべきだと思いますよ。商業建築、集合住宅、個人住宅、たくさんの素晴らしいプロジェクトを見せて頂きました。中村先生の発想はお見事です。サッシのない建具を作りたい時に、アクリルの無垢材を-40℃で冷やして鉄板の外壁にはめ込んで、自然の膨張力を利用してシンプルに収めます。壁の無い美容室に床に個室を沈ませて、プライベートスペースを作る。既存の木を大切にしたい時、建物を木と木の間で作ります。自動車のショールームなら、動物園に入った気分で車の顔で迎えあわさせる。美術館なら、壁も絵のように薄く、柱は一本も無い建物を作ります。
中村さんは勇気とインテリジェンスがあり、思い込み、うぬぼれがない。今後のプロジェクトを楽しみにしています。
講演はとても良かったですが、二つの疑問があります。
1)JIAは貸切で200人のためのイベントを企画します。参加者はみんな設計士です。「私たちは素晴らしい建物を作り出しています」。しかし、外の世界にPRせず、いつまで自己満足しつづけるのでしょう。
2)建築家はお金持ち宛に素晴らしい建物を作りますが、その建物の周りの(東隣、西隣、突き当たり...)街は劣化している。アイデア、材質、個性を無視しているプレハブはガンのように広がっています。建築家はこのことを見えない?見たくない?
素晴らしい建築は私たちの生息地(街)の危機を助けられるのでしょうか。
Posted by ヤコポ
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